青物釣りは、その強烈な引きとダイナミックなやり取りが最大の魅力です。しかし、いざ釣具店に行くとPEラインの種類や号数の多さに、どれを選べば良いか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。せっかくヒットさせた大物をラインブレイク(糸切れ)で逃してしまうのは、アングラーにとって最も悔しい瞬間です。
この記事では、青物狙いで使うPEラインが何号であれば安心して釣りを楽しめるのか、フィールドやターゲットのサイズに合わせた最適な選び方を分かりやすく解説します。PEラインの特性を正しく理解し、自分のスタイルにぴったりのラインを見つけることで、青物との出会いはもっと確実なものになります。初心者の方からステップアップを目指す方まで、ぜひ参考にしてください。
青物釣りに最適なPEは何号?基本の選び方と号数別の強度

青物釣りにおけるPEラインの号数選びは、釣りの成立を左右する非常に重要な要素です。PEラインは複数の極細ポリエチレン繊維を編み込んで作られており、同じ太さのナイロンラインやフロロカーボンラインと比べて、数倍の強度を持っているのが特徴です。
基本的には、自分が狙うターゲットの最大サイズと、釣り場の環境を考慮して号数を決めることになります。まずはPEラインの号数と強度の目安、そして一般的なシーンでの標準的な号数について詳しく見ていきましょう。
PEラインの号数とポンド(lb)数の関係を知ろう
PEラインのパッケージには「1.5号(25lb)」といった表記がされています。「号」はラインの太さ(径)を表し、「lb(ポンド)」はどれくらいの重さに耐えられるかという強度を表します。一般的にPEラインの場合、1号でおよそ20lb前後の強度があると考えて間違いありません。
1lbは約453gですので、1号(20lb)なら約9kgの負荷に耐えられる計算になります。ただし、この数値は「直線強度」であり、魚とのやり取り中にかかる衝撃や、結び目(ノット)の強度低下、ラインの傷などは考慮されていません。そのため、実際の釣りでは余裕を持った号数選びが求められます。
また、メーカーや製品の種類によって、同じ号数でも強度に若干の差があります。高強度の原糸を使用している高級ラインは、同じ号数でも数ポンド高い数値が出ることが多いため、購入時には必ずポンド数もチェックする習慣をつけましょう。
堤防から狙うライトショアジギングの標準は1号から1.5号
身近な堤防や港湾部から、30cm〜50cm程度のワカシやイナダ、サゴシを狙う「ライトショアジギング」では、PEライン1号から1.5号が最も使いやすく標準的な太さとなります。このクラスのラインは飛距離と強度のバランスが非常に優れています。
1号のPEラインを使用すると、軽いルアーでも空気抵抗を受けにくく、遠くのナブラ(魚が小魚を追って海面が騒がしくなる現象)まで届かせやすくなります。一方で、不意に60cmを超える良型がかかった場合、1号では少し心もとない場面もありますが、ドラグ(リールの糸を送り出す機能)を適切に調整すれば十分キャッチ可能です。
より安心感を求める場合や、テトラポッドの周りなど根ズレの危険がある場所では1.5号を選択しましょう。1.5号あれば、40lbクラスのリーダーとも相性が良く、不意の大物にも対応できる余裕が生まれます。自分の通うフィールドの足場の高さや障害物の有無で使い分けてみてください。
ブリクラスを狙うショアジギングなら2号から3号が安心
80cmを超えるブリや、強烈なパワーを持つカンパチ、ヒラマサなどを本格的に狙うショアジギングでは、PEラインは2号から3号が必須となります。これらの魚はヒットした瞬間のパワーが凄まじく、細いラインでは一瞬で切られてしまうリスクが高いからです。
2号を使用するシーンは、比較的足場が良く、飛距離も稼ぎたい状況に適しています。一方で、潮流が速いエリアや水深がある場所、あるいは大型が混じる確率が高いシーズンには3号を選びます。3号になると直線強度は50lb(約22kg)程度になり、強引なファイトも可能になります。
ショア(岸)からの釣りでは、魚を寄せた際に足元の岩にラインが擦れるリスクが常にあります。細いラインは擦れに極端に弱いため、大型狙いでは「獲ること」を最優先に考え、太めの号数を選択するのがベテランアングラーの定石です。無理のない範囲で、最も信頼できる太さを選びましょう。
船釣りのオフショアジギングで選ぶべき号数の目安
船から青物を狙う「オフショアジギング」では、ショアとはまた違った基準で号数を選びます。船釣りでは水深100m前後を攻めることも珍しくないため、潮の抵抗を抑えるために、狙う水深やルアーの重さに合わせた最適な太さが必要になります。
近海でのジギングであれば、PE2号から3号が一般的です。船長の指示やエリアによって異なりますが、3号を巻いておけば、ブリクラスがヒットしても安心してやり取りができます。さらに深場や、20kgを超えるような超大型を狙う遠征釣行などでは、4号以上のラインが必要になることもあります。
オフショアでは、同船者との「おまつり(糸同士が絡まること)」を避けるためにも、船宿が推奨する号数を守ることがマナーです。太すぎると潮に流されて隣の人と絡みやすくなり、細すぎると大型がかかった際に魚を制御できず、周囲に迷惑をかけてしまいます。事前に船宿に確認するのが一番確実です。
ターゲットのサイズと釣り場で使い分けるPEラインの基準

青物と一口に言っても、狙う魚種やそのサイズ、さらには釣る場所によって求められるPEラインの性能は大きく異なります。飛距離が最優先される場所もあれば、強引に魚を止めるパワーが求められる場所もあります。
状況に合わないラインを選んでしまうと、ルアーが届かなかったり、掛けてもキャッチできなかったりと、釣果に悪影響を及ぼします。ここではターゲット別、フィールド別のより具体的な号数の使い分けについて解説します。
イナダ(ハマチ)やサゴシを狙う際のおすすめ号数
青物釣りの入門として人気の高いイナダ(ハマチ)やサゴシ。これらの魚は30cmから50cm程度のサイズが中心となるため、PEラインは0.8号から1.2号が最も快適に使えます。特に0.8号や1号といった細めのラインは、操作性が高く繊細なアクションも伝えやすいのがメリットです。
サゴシを狙う場合は、鋭い歯でラインを切られる「サゴシカッター」への対策が重要ですが、これはメインのPEラインを太くするよりも、先につけるリーダーを工夫することで対応します。メインラインが細ければ細いほど、横風の影響を受けにくくなり、ルアーの飛距離が伸びて広範囲を探ることが可能になります。
また、これらのサイズは数釣りが楽しめることも多いため、ラインの扱いやすさが手返しの良さに直結します。あまりに太すぎるラインを使うと、軽いジグの動きが鈍くなってしまうこともあるため、1号前後をベースに組み立てるのが、このクラスを攻略する近道と言えるでしょう。
ワラサ(メジロ)やカンパチなどパワー勝負に必要な太さ
60cmから80cmクラスのワラサ(メジロ)や、同サイズのカンパチを狙う際は、PEライン2号以上を選択しましょう。特にカンパチは、ヒットした直後に根(海底の岩場)に向かって猛烈に突っ込む習性があります。この突っ込みを止めるためには、ドラグを締め込み、ラインの強度に頼った勝負が必要になります。
2号のPEラインがあれば、強引なやり取りでもある程度の負荷に耐えられますが、もし水深が浅い場所や根が荒い場所であれば、さらに上の2.5号や3号を選んでおくと安心です。ワラサクラスでも、潮流に乗って走られると想像以上の負荷がラインにかかります。
このクラスの魚になると、フック(針)の強度も重要になりますが、それを支えるのはやはりメインラインです。ラインが伸びないPEの特性上、急な衝撃はすべてノットやラインにかかるため、パワー負けしないだけの「安心感のある太さ」を備えておくことが、キャッチ率向上に繋がります。
磯(ロックショア)では一段階太いPEラインを選ぶ理由
地磯や沖磯から青物を狙う「ロックショア」の釣りは、堤防に比べて環境が格段に過酷です。足元は鋭利な岩場であり、魚を掛けた後は常に「根ズレ」との戦いになります。そのため、磯での釣りでは堤防よりも一段階、あるいは二段階太いPEラインを選ぶのが基本です。
例えば堤防で1.5号を使っているターゲットであっても、磯であれば3号や4号を使用することも珍しくありません。これは、少しでも岩に擦れた際の破断を防ぐための「マージン」を持たせるためです。PEラインは横方向の摩擦に極端に弱いため、細いラインでは一瞬の接触で命取りとなります。
また、磯では大型のヒラマサがヒットする可能性もあります。ヒラマサは「磯の王者」とも呼ばれ、掛かった瞬間に根に向かって走るため、PE4号や5号といった太糸で真っ向勝負を挑むこともあります。フィールドの険しさに合わせて、ラインの号数を上げる判断が非常に重要です。
サーフでの青物狙いは飛距離と強度のバランスが重要
広大な砂浜から青物を狙うサーフゲームでは、何よりも「飛距離」が重視されます。沖にあるブレイク(急深な場所)や離岸流にルアーを届かせる必要があるため、ラインは太すぎないことが求められます。一般的には、PE1.2号から1.5号が最も多用される号数です。
1.2号は空気抵抗が少なく、40g前後のメタルジグを100m以上飛ばすのも容易になります。サーフは磯のように鋭い岩が少ないため、ラインブレイクのリスクは比較的低いですが、波打ち際での魚の抵抗や、砂による摩耗を考慮して1.5号を選ぶアングラーも多いです。
最近では、ラインの製造技術が向上し、1.2号でも十分な強度を持つ製品が増えています。飛距離を優先して広範囲を探るか、不意の大型に備えて1.5号で確実性を取るか、その日のコンディションに合わせてセレクトしましょう。いずれにせよ、サーフでは遠投性能を殺さない号数選びがポイントです。
【ターゲット別・推奨PE号数目安】
・ワカシ・イナダ・サゴシ:0.8号〜1.2号
・ワラサ・ブリ・カンパチ(堤防):2.0号〜3.0号
・ブリ・ヒラマサ(磯):3.0号〜5.0号
・サーフ全般:1.0号〜1.5号
PEラインの性能を最大限に引き出すためのリーダー選び

PEラインは引っ張り強度には非常に強いですが、岩や魚の歯に擦れる摩擦には驚くほど弱いという弱点があります。その弱点を補うために、PEラインの先端には必ず「ショックリーダー」と呼ばれる別の種類のラインを数メートル接続します。
リーダーの選び方が適切でないと、せっかく最適なPE号数を選んでも、その性能を十分に発揮できません。ここでは、PEラインとリーダーの組み合わせ方や、素材の選び方について詳しく解説します。
リーダーの素材による違い(フロロカーボンとナイロン)
ショックリーダーには主に「フロロカーボン」と「ナイロン」の2種類の素材が使われます。フロロカーボンは硬くて感度が良く、耐摩耗性に優れているのが特徴です。根ズレの危険がある場所や、ジグをキビキビと動かしたい青物ジギングでは、第一選択となる素材です。
一方のナイロンリーダーは、適度な伸びがあるため、魚の急な突っ込みに対して「クッション」のような役割を果たしてくれます。これにより、PEラインやノットにかかる衝撃を和らげ、高切れやフックアウト(針外れ)を防ぐ効果があります。また、しなやかで扱いやすく、太い号数でも結びやすいのがメリットです。
一般的には、底付近を攻めるジギングならフロロカーボン、トップウォーター(水面)を狙うプラッギングなら、ルアーの動きを邪魔しにくく水に浮きやすいナイロンといった使い分けが推奨されます。自分の釣りのスタイルに合わせて使い分けてみましょう。
PEラインの号数に合わせてリーダーの太さと強度の決め方
リーダーの太さを決める際の基本ルールは、PEラインの強度(lb)と同等か、それよりも少し強いものを選ぶことです。例えば、PE1.5号(約25lb〜30lb)を使用している場合、リーダーは25lbから35lb(約7号〜8号)程度のものを選びます。
バランスが崩れてリーダーが極端に細すぎると、そこから切れてしまいますし、逆に太すぎると、PEラインとの結び目が大きくなりすぎて、キャスト(投げる動作)の際にガイドに当たって飛距離が落ちたり、トラブルの原因になったりします。
また、狙う魚種によっても微調整が必要です。サゴシやタチウオのように歯が鋭い魚を狙う場合は、メインのリーダーの先にさらに太いリーダーを繋ぐ「先糸」という手法も有効です。全体のバランスを考えながら、最も力がスムーズに伝わるセッティングを心がけましょう。
結束強度を保つためのノット(結び方)の重要性
PEラインとリーダーを繋ぐノットは、青物釣りにおいて最も強度が試される部分です。どんなに高価で強いラインを使っていても、結び目の強度が低いとそこから簡単に切れてしまいます。青物釣りで最も信頼されているのは「FGノット」という結び方です。
FGノットは、PEラインをリーダーに編み込んで固定するため、結び目が非常に細く、かつ強度が非常に高いのが特徴です。慣れるまでは少し練習が必要ですが、これができればガイド抜けも良く、大物とのやり取りでも安心して力を込めることができます。
結び終わった後は、必ず両端を強く引っ張って締め込みを確認してください。この確認を怠ると、実釣中にすっぽ抜けてしまうことがあります。釣り場でも素早く、正確に結べるようになることが、キャッチ率を確実に向上させるための必須スキルです。
リーダーの長さは、一般的に1.5mから3m程度(矢引きから一尋半)が目安です。磯場など根ズレのリスクが高い場所では、さらに長くとることもあります。
PEラインの編み数(4本・8本・12本)による特性の違い

PEラインのパッケージを見ると「4本編み」「8本編み」といった表記が必ずあります。これは原糸を何本で編み上げているかを示しており、本数によってラインの特性が大きく変わります。用途に合わせて選ぶことで、より快適に釣りができるようになります。
以前は高価だった8本編みも、最近では手頃な価格で購入できるようになりました。しかし、本数が多ければ必ずしも優れているというわけではなく、それぞれにメリットとデメリットがあります。その違いを正しく理解しておきましょう。
飛距離重視なら表面が滑らかな8本編みが主流
現在の青物釣りにおいて、最も人気がありスタンダードなのが8本編みのPEラインです。4本編みに比べて一本一本の原糸が細いため、編み上がりの断面がより真円に近く、表面が非常に滑らかに仕上がっています。
表面が滑らかだと、キャスト時にガイドを通る際の摩擦抵抗が少なくなり、圧倒的に飛距離が伸びます。また、リールを巻く際の糸鳴り(ガイドと擦れる音)も静かで、操作感がスムーズなのも大きな利点です。さらに、真円に近いことで潮の抵抗を受けにくく、ジグを垂直に落としやすいというメリットもあります。
欠点としては、4本編みに比べると価格がやや高めであることと、一本の糸が細いために、傷がついた時の強度低下が比較的早い点が挙げられます。しかし、近年の技術向上により耐久性も改善されており、多くのアングラーに選ばれています。
根ズレへの耐性を考えるなら4本編みという選択肢
4本編みのPEラインは、8本編みに比べて一本あたりの原糸が太いため、物理的な摩擦に対して強いという特性を持っています。表面は少しザラつきがありますが、この太い原糸のおかげで、少々の傷であれば致命的な破断に至りにくいのが強みです。
また、コシが強くて適度な硬さがあるため、風が強い日でもラインがガイドに絡まりにくいというメリットもあります。価格もリーズナブルなものが多く、コストパフォーマンスを重視するアングラーや、障害物の多いポイントを攻める際の心強い味方となります。
飛距離や操作感では8本編みに一歩譲りますが、実用面でのタフさは4本編みならではの魅力です。特に初心者の方は、ラインの扱いによるライントラブルを減らすために、あえて4本編みからスタートするというのも賢い選択肢の一つです。
最新の12本編みが持つメリットと注意点
近年登場した12本編みのPEラインは、究極の滑らかさと強度を追求したハイエンドモデルです。8本編みよりもさらに表面がスムースで、シルクのような手触りを持ち、飛距離性能と感度は全ラインの中でもトップクラスを誇ります。
12本編みは強度のバラツキが非常に少なく、同じ号数であれば4本や8本よりも高い最大強度を持つことが多いです。しかし、非常に繊細な作りであるため、少しの傷でも強度がガクンと落ちる傾向があります。また、価格も高価なため、常に最高のコンディションで使いたい上級者向けのラインと言えます。
トーナメントや記録級の魚を狙うような極限のシーンでは強力な武器になりますが、日常的な青物釣りであれば、まずは8本編みで十分な恩恵を受けられます。自分の予算と求める性能のバランスを考えて選ぶのが良いでしょう。
失敗しないPEラインのメンテナンスと交換時期の目安

青物釣りはラインへの負荷が非常に大きい釣りです。どれほど高性能なPEラインを選んでも、メンテナンスを怠ったり、劣化したラインを使い続けたりすれば、いつか必ずラインブレイクを引き起こします。大切なルアーと魚を守るためには、日々のケアが欠かせません。
PEラインはナイロンのように吸水による劣化はほとんどありませんが、塩分や紫外線、そして魚との戦いで受ける物理的なダメージは蓄積されます。ここでは、ラインを長持ちさせるコツと、交換のタイミングを見極めるポイントを紹介します。
使用後の塩抜きとラインコーティング剤の効果
釣行後、最も重要なメンテナンスは「塩抜き」です。PEラインの編み目に入り込んだ塩分が結晶化すると、ライン同士の摩擦を強めたり、ガイドを傷つけたりする原因になります。リールのスプールごと真水に浸すか、シャワーで念入りに洗い流しましょう。
洗浄して乾燥させた後は、PEライン専用のコーティング剤をスプレーするのが効果的です。コーティング剤を塗布することで表面の摩擦がさらに軽減され、飛距離が伸びるだけでなく、海水の吸い込みを抑えて汚れが付きにくくなります。
また、コーティングはラインの毛羽立ちを抑える効果もあるため、ラインの寿命を大幅に延ばしてくれます。釣行の前夜や、洗浄後の乾燥したタイミングでひと吹きするだけで、次の釣りが驚くほど快適になります。ぜひ習慣に取り入れてみてください。
釣行中にチェックすべきラインの毛羽立ちとダメージ
PEラインの劣化を判断する最も簡単な方法は、見た目と手触りのチェックです。指でラインをなぞった時に「ザラつき」を感じたり、表面から細かい繊維が飛び出している「毛羽立ち」が見られたりする場合は、その部分の強度が著しく低下しています。
特にルアーに近い先端の数メートルは、キャスト時の摩擦や海中の障害物、魚の体などに擦れるため、最も傷みやすい箇所です。釣りの合間や、ルアーを交換するタイミングで、こまめに先端の状態を確認するようにしましょう。
もし毛羽立ちを見つけたら、もったいないと思わずにその部分をカットして、新しくリーダーを結び直すことが大切です。わずか数センチの傷が、一生に一度の出会いを台無しにしてしまう可能性があることを忘れないでください。
PEラインを裏返して巻く「裏返し」の活用術
PEラインは通常、150mから300mほどリールに巻いて使用しますが、実際にキャストややり取りで頻繁に使われるのは先端の50mから100m程度です。つまり、スプールの奥深くに眠っているラインは、ほとんどダメージを受けていない「新品に近い状態」のままです。
そこで便利なのが、ラインを「裏返す(巻き直す)」というテクニックです。傷んできた先端側をスプールの底に、使っていなかった奥側を先端に持ってくることで、1本のラインを2回分フルに活用することができます。これにより、お財布にも優しくラインの鮮度を保てます。
裏返しを行う際は、空のスプールを2つ用意するか、釣具店のライン巻き替えサービスを利用するとスムーズです。ただし、長期間巻きっぱなしにしていたラインは、内部で塩が固着していたり、劣化が進んでいたりすることもあるので、裏返す際の状態チェックは入念に行いましょう。
強度が低下する前に交換するタイミングの判断基準
PEラインの完全な交換時期を判断するのは難しいものですが、一般的には「色落ちが激しくなった時」や「ラインが全体的に平ら(潰れた感じ)になった時」が一つの目安です。色が抜けて白っぽくなっているラインは、コーティングが完全に剥がれ、繊維自体が傷み始めている証拠です。
また、大きな魚を釣り上げたり、根掛かりを強引に回収したりした後は、ラインに目に見えないほどの強い負荷がかかっています。そのような釣行が数回続いた後は、たとえ見た目が綺麗でも交換を検討すべきです。目安としては、週末アングラーなら半年に一度、頻繁に行く方なら2〜3ヶ月に一度は新品に巻き替えるのが理想的です。
「まだ使えるかも」という迷いは、現場での不安に繋がります。常に万全の状態で挑むことが、青物釣りの醍醐味である「強引なファイト」を心から楽しむための最低条件です。信頼できるラインで、自信を持ってキャストを続けましょう。
| チェック項目 | 判断基準 | 対応 |
|---|---|---|
| 表面の状態 | 毛羽立ち、ザラつきがある | ダメージ部分をカット |
| ラインの色 | 白っぽく色落ちしている | 裏返し、または全交換 |
| ラインの形状 | 真円ではなく平らになっている | 全交換を推奨 |
| 使用期間 | 半年〜1年以上経過 | 安全のため全交換 |
青物の引きを楽しむために最適なPEラインの号数を選ぼう
青物釣りにおいて、PEラインの号数選びは単なる準備の一つではなく、魚との唯一の接点を守るための重要な決断です。狙うターゲットがイナダクラスなら1号前後、ブリクラスなら2号から3号、そして磯場などの過酷な環境ではさらに太い号数を選ぶことが、確実に魚をキャッチするための近道となります。
また、号数だけでなく「8本編み」などの編み数による特性や、リーダーとの適切な組み合わせ、そして何より日々のメンテナンスが、ラインの性能を100%引き出す鍵となります。自分が行く釣り場の環境や、その時期に釣れている魚のサイズに合わせて、最適なラインセッティングを見つけてください。
万全の準備で挑めば、青物の強烈な突っ込みも怖くありません。信頼できるPEラインをリールに巻き、力強いファイトを存分に楽しみましょう。この記事が、あなたの次の釣行での素晴らしい出会いをサポートする一助となれば幸いです。



