シーバスフィッシングにおいて、表層の攻略はもっともエキサイティングな瞬間のひとつです。そんなトップウォーターゲームで圧倒的な支持を得ているのが、DUOから発売されている「マニックフィッシュ」です。このルアーは、従来のマニックが持つ唯一無二のアクションを継承しつつ、より表層での誘いに特化した設計がなされています。
飛距離が出にくいトップウォータープラグの弱点を克服し、遠くのボイル(魚が跳ねている状態)にもしっかりと届く性能は、多くのアングラーにとって大きな武器となります。今回は、マニックフィッシュの特徴や使い方、そして状況に応じた使い分けのコツを詳しく解説します。この記事を読めば、表層攻略がもっと楽しく、得意になるはずです。
マニックフィッシュの基本性能と唯一無二の特徴

マニックフィッシュは、シンキングペンシルというカテゴリーに属しながらも、その使い心地はトップウォータープラグに近い独特のルアーです。まずは、なぜこのルアーがこれほどまでに釣れると言われているのか、その基本性能と唯一無二の特徴について紐解いていきましょう。
マニックフィッシュの主な特徴
・圧倒的な飛距離を実現する後方重心設計
・独自の「マニックムーヴ」による微細な波動
・立ち上がりが早く、すぐに表層を引ける操作性
圧倒的な飛距離を生み出すウェイト設計
マニックフィッシュの最大の武器は、何と言ってもその圧倒的な飛距離です。ボディサイズに対して非常に高比重な設計となっており、さらに重心が後方に配置されているため、キャスト時の飛行姿勢が極めて安定しています。風が強い状況や、広大な干潟、河口域といった遠投が求められるシーンでは、他のルアーが届かないポイントまでアプローチすることが可能です。
一般的なトップウォータープラグは、浮力を確保するために軽量になりがちですが、マニックフィッシュはしっかりとした重量があるため、ベイトリールでのキャストも容易です。遠くで発生したナブラ(小魚が追われている状態)に対しても、即座に射程圏内に入れられる機動力は、釣果を左右する大きな要素となります。飛距離が出るということは、それだけ魚と出会うチャンスが増えることを意味します。
また、飛行姿勢が乱れにくいため、狙ったピンポイントへ正確にキャストできる精度も持ち合わせています。ストラクチャー(障害物)周りや、潮目などの変化をタイトに狙う際にも、この安定した飛行性能がアングラーを助けてくれます。初心者の方でも、軽い力で驚くほど遠くまで飛ばすことができるため、キャスティングの楽しさを再確認させてくれるルアーと言えるでしょう。
魚を惹きつける唯一無二の「マニックムーヴ」
マニックフィッシュが放つアクションは、一般的なシンキングペンシルの「S字系」や「スラローム」とは一線を画します。それは「マニックムーヴ」と呼ばれる、ボディを小刻みに震わせる超微細なロールアクションです。この動きは、水面に引き波を立てながら泳ぐ小魚の波動を極限まで再現しており、プレッシャーの高いエリアでも魚に違和感を与えません。
大きなアクションで魚を寄せるのではなく、本物のベイト(エサとなる小魚)に近い微波動で、至近距離まで寄ってきた魚に見切らせずに食わせる力が備わっています。特に水面が穏やかな状況や、月明かりが強い夜など、ルアーが目立ちすぎる場面でこの微波動が効果を発揮します。魚の捕食スイッチを優しく、かつ確実に入れることができる魔法のような動きです。
また、このアクションはリトリーブ(リールを巻く)スピードによって微妙に変化します。低速では水面を滑るような動きを見せ、スピードを上げるとよりタイトな震えに変わります。この繊細な変化を使い分けることで、その日の魚のコンディションに合わせた最適なアピールが可能になります。目に見える派手な動きではありませんが、水中の魚にはしっかりと届く不思議な魅力を持っています。
表層を意識したターゲットに最適なレンジ設定
マニックフィッシュはシンキング(沈む)タイプではありますが、リトリーブを開始すると速やかに浮上し、水面直下をキープしやすい設計になっています。これにより、トップウォーターのような使い方が可能でありながら、完全に浮かんでいるプラグよりも格段にフッキング率が高いというメリットがあります。水面を割り切らないターゲットに対しても、皮一枚下のレンジを通すことで口を使わせることができます。
特に、シーバスが水面を意識して意識しているものの、トップには出きらないような「もどかしい状況」で真価を発揮します。水面に薄く引き波を立てながら泳ぐ姿は、まさに逃げ惑う小魚そのものです。この絶妙なレンジ設定により、ミスバイト(魚がルアーに触れても掛からないこと)を減らし、確実なフッキングへと繋げることができます。
また、足場の高い堤防や、波がある状況でも、水面から飛び出しにくい適度な水噛みの良さを持っています。常に水とのコンタクトを維持できるため、ルアーが空を切ってしまうことが少なく、安定してターゲットを誘い続けることができます。表層攻略において、これほど扱いやすく、かつ信頼できるレンジキープ力を持ったルアーは他に類を見ません。
シーバス攻略に欠かせないマニックフィッシュの出しどころ

マニックフィッシュは、その特性から特定の状況下で爆発的な威力を発揮します。シーバスフィッシングにおいて、どのようなタイミングでこのルアーを投入すべきかを知ることは、釣果を大きく伸ばすポイントになります。ここでは、特に効果的な3つのシチュエーションをご紹介します。
マニックフィッシュは、シーバスが「上」を向いている時が最大のチャンスです。ボイルが見える時はもちろん、潮が動いてベイトが浮いてきたタイミングが狙い目です。
サヨリパターンでの爆発的な威力
秋から冬にかけて、細長いサヨリをシーバスが捕食する「サヨリパターン」において、マニックフィッシュは最強クラスのルアーのひとつです。サヨリは水面直下を泳ぎ、外敵に襲われると水面を滑るように逃げる特性があります。マニックフィッシュのスリムなシルエットと、水面に引き波を立てるアクションは、まさにサヨリそのものです。
サヨリパターンは非常に攻略が難しいことで知られていますが、その理由はシーバスが偏食し、本物とルアーを見分ける能力が高まるからです。しかし、マニックフィッシュの微波動は、サヨリが出す波動に近いと言われており、百戦錬磨の大型シーバスでも思わず口を使ってしまいます。特に遠くの潮目でサヨリが跳ねているような状況では、その飛距離が大きなアドバンテージになります。
使い方のコツとしては、あまりルアーを動かしすぎず、一定の速度でゆっくりと引いてくることです。サヨリがゆったりと泳いでいる様子をイメージし、時折リールの回転を止めて食わせの間を作るのも効果的です。サヨリパターンで周囲が苦戦している中、自分だけがヒットを連発する。そんな経験をさせてくれるのが、このルアーの凄いところです。
稚鮎やイナッコを追い回すボイル撃ち
春の稚鮎(ちあゆ)遡上や、初夏から秋にかけてのイナッコ(ボラの幼魚)の群れを狙った釣りでも、マニックフィッシュは欠かせません。これらのベイトは群れをなして水面付近を移動するため、シーバスのボイルが頻発します。そんな時、マニックフィッシュをボイルの向こう側に投げ、群れの中を横切らせるように引いてくると、強烈なバイトを得ることができます。
特に、マニックフィッシュは着水直後の立ち上がりが早いため、着水と同時にアクションを開始できます。ボイルが発生した瞬間にルアーを送り込み、即座に誘い始めることができるスピード感は、チャンスを逃さないために不可欠です。逃げ惑う小魚の動きを演出するために、少し速めのリトリーブで引き波を強く出すのも有効な戦略となります。
また、イナッコパターンの場合は、少し不規則な動きを入れることで、群れから逸れた弱った個体を演出することも可能です。軽くロッドティップ(竿先)を揺らしながら巻いてくることで、微波動に「揺らぎ」が加わり、シーバスの捕食本能をさらに刺激します。視覚的にも波動的にもベイトに馴染みやすいため、高活性な魚を次々と拾っていくことができます。
プレッシャーの高いスレた状況での食わせ
都市近郊の河川や、有名ポイントなどのアングラーが多いエリアでは、魚がルアーの強い波動やラトル音に対して警戒心を抱いています。このような「スレた(警戒心の強い)」状況下では、一般的なルアーではなかなか反応が得られません。そこで出番となるのが、マニックフィッシュのサイレントかつ微波動なアクションです。
無駄なアピールを削ぎ落とし、ナチュラルな誘いに特化しているため、他のルアーを散々投げ倒された後でもヒットに持ち込めることがあります。魚に「偽物だ」と悟らせる隙を与えない、極めて自然な波動は、タフなコンディションにおけるファイナルウェポンとなります。派手な音や動きに反応しない時こそ、このルアーの繊細なアピールの出番です。
スレた状況では、なるべく遠くからアプローチし、自分の気配を消すことも重要です。マニックフィッシュの遠投性能を活かし、魚の警戒心の外側からルアーを届けることで、自然なバイトを誘発できます。周囲のアングラーがノーバイトの中で、静かに、そして確実に魚を掛けていく快感は、このルアーを使いこなした人だけの特権と言えるでしょう。
サイズ展開とカラー選びのポイント

マニックフィッシュには、主に88mmと99mmの2つのサイズが存在します。それぞれの特徴を理解し、状況に合わせてカラーを選択することで、釣果をより確実なものにできます。ここでは、サイズ選びの基準と、カラーローテーションの考え方について解説します。
88mmと99mmの使い分けと使い勝手
まず、スタンダードな選択肢となるのが88mmモデルです。こちらは自重が11gと軽量ながら、後方重心のおかげでクラス最高の飛距離を誇ります。春先の稚鮎やハク(ボラの稚魚)といった、小さなベイトを偏食しているシーンで抜群の威力を発揮します。また、シルエットがコンパクトなため、食い気が渋い時や、プレッシャーの高い小規模河川でも使いやすいのが特徴です。
対して、99mmモデルは16.2gの重量があり、さらなる遠投性能を備えています。広大な干潟やサーフ、強風が吹き荒れる堤防など、飛距離が絶対条件となる場面では99mmの独壇場となります。また、サヨリやイナッコのサイズが大きくなる秋以降や、大型のシーバスを狙い撃ちたい時にも、この存在感のあるサイズが適しています。重量が増したことで、水面が荒れている状況でも安定して泳がせることが可能です。
基本的には「ベイトの大きさに合わせる」のがセオリーですが、「飛ばしたい距離」や「アピールの強さ」で選ぶのも正解です。例えば、ベイトが小さくても風が強くて88mmでは届かない場合は、迷わず99mmを投入しましょう。両方のサイズをルアーボックスに備えておくことで、現場での対応力が格段に向上します。
状況に合わせたおすすめカラーの選び方
カラー選びの基本は、水の透明度と周囲の明るさに合わせることです。まず、日中や街灯の明るい場所、水が澄んでいる状況では、クリア系や銀粉系などのナチュラルなカラーが推奨されます。マニックフィッシュの微波動とクリアカラーの組み合わせは、魚に視覚的な違和感を与えず、直前まで見切られにくい最強の食わせセッティングとなります。
逆に、夜間や水の濁りが強い時、また光が届かない深い場所を意識させる場合は、パール系やチャート系といった膨張色が効果的です。マニックフィッシュはアクションが控えめな分、カラーで存在感を際立たせることで、広い範囲から魚を呼び寄せることができます。特に「マットチャート」などの色は、濁った河川でのシーバスゲームにおいて定番中の定番カラーです。
さらに、サヨリパターンなど特定のベイトを模す場合は、背中が黒く腹がシルバーの「ベイトフィッシュカラー」が安定した強さを見せます。迷った時は、まず自分のフィールドで最もよく見かける小魚の色に似たカラーをひとつ選び、その対極となるアピールカラー(チャートやレッドヘッドなど)をもうひとつ揃えるのが効率的な揃え方です。
フックセッティングとチューニングの工夫
マニックフィッシュを使い込む上で、フック(針)の管理は非常に重要です。表層での釣りのため、魚が水面で反転した際にフックが外れる「バラシ」が発生しやすい傾向にあります。そのため、常にフックポイント(針先)の鋭さをチェックし、少しでも鈍っていたら交換することを徹底しましょう。純正のフックは刺さり重視のものが採用されていますが、より大型を狙う場合は太軸に交換するのも一つの手です。
ただし、フックの重量を変えすぎると、絶妙な浮力バランスやアクションが崩れてしまうことがあります。基本的には純正と同じ重さのフックを選ぶのがベストですが、あえて少し重いフックを付けることで、浮き上がりを抑えて荒れた水面での安定性を高めるというチューニングもあります。これを「レンジを少し下げる工夫」として活用するエキスパートも存在します。
また、リア(後ろ)のフックにティンセル(キラキラした飾り)を巻くことで、アピール力を高めると同時に、浮力を持たせて尻下がりの姿勢を補正するカスタマイズも人気です。これにより、よりスローなリトリーブでも水面をキープしやすくなり、タフコンディション下での切り札になります。自分なりに試行錯誤して、その日の状況にベストなセッティングを見つけるのも釣りの醍醐味です。
実践で役立つマニックフィッシュの基本的な使い方

マニックフィッシュは投げて巻くだけでも十分に釣れる優秀なルアーですが、意識して操作を変えることで、さらに反応を増やすことができます。ここでは、実釣で効果的な3つの基本アクションについて詳しく見ていきましょう。
| アクション名 | リトリーブ速度 | 有効なシチュエーション |
|---|---|---|
| ただ巻き(低速〜中速) | 1秒にハンドル1回転前後 | サヨリ・バチ・稚鮎などのナチュラルな誘い |
| 高速リトリーブ | 1秒にハンドル2〜3回転 | 青物や活性の高いシーバス、見切り防止 |
| 小刻みなアクション | ティップを揺らしながら巻く | イナッコのパニック状態、チヌの誘い |
基本中の基本「ただ巻き」のコツ
マニックフィッシュの性能を最大限に引き出すのは、余計な動きを加えない「ただ巻き」です。リールを一定の速度で巻くだけで、水面に綺麗な引き波を作り出し、ボディを細かく震わせて誘ってくれます。この時、重要なのは「ロッドの角度」と「リトリーブスピード」の関係を意識することです。
ロッドを立てて巻けばルアーは浮き上がりやすく、水面にV字の引き波を立てることができます。これは魚が表層を強く意識している時に有効です。逆にロッドを下向きに構えて巻くと、水面直下をなぞるように泳がせることができ、波がある時や、水面まで出きらない慎重な魚に対して効果を発揮します。このレンジの微調整を、ロッドの高さだけで行えるのがマニックフィッシュの使いやすさです。
巻く速度は、ルアーが水面に「浮きすぎず、沈みすぎない」絶妙なラインを見つけるのがコツです。明るい場所で自分のルアーの動きを確認し、最も綺麗な引き波が出る速度を体に覚え込ませましょう。基本はゆっくりですが、時折ふっと速度を緩めることで、追ってきた魚に食いつくタイミングを与えることができます。派手なアクションが不要な分、この「巻きの質」にこだわることが釣果アップの近道です。
活性が高い時に有効な高速リトリーブ
シーバスの活性が高く、ベイトを激しく追い回しているような状況や、日中のデイゲームでは、あえて「高速リトリーブ」を試してみてください。マニックフィッシュは高速で巻いても動きが破綻しにくく、水面をバチャバチャと叩くような、より刺激的なアクションへと変化します。この「逃走する小魚」の演出が、魚のスイッチを強烈に入れます。
高速で巻くことで、魚にルアーを詳しく観察させる暇を与えないというメリットもあります。見切られやすい澄み潮のデイゲームでは、このスピード感が武器になります。また、高速リトリーブ中に一瞬だけハンドルを止める「ストップ&ゴー」も非常に有効です。急停止した瞬間にリア(後ろ)が沈み込み、そこから再び動き出す瞬間にバイトが集中します。
また、この使い方は青物(イナダやサゴシなど)を狙う際にも効果絶大です。青物は速い動きに非常に敏感なため、回収するようなスピードで水面を引いてくると、水飛沫を上げながら猛追してくる姿を見ることができます。シーバスだけでなく、様々なフィッシュイーターに対して有効なテクニックですので、スローな展開で反応がない時にはぜひ試していただきたい手法です。
チヌや青物にも効く小刻みなアクション
シーバス以外にも、マニックフィッシュは「チニング(クロダイ・キビレ狙い)」において非常に高い実績を誇ります。チヌを狙う場合は、ただ巻きの中にロッドティップを細かく揺らす「シェイク」を加えるのが効果的です。水面でピチャピチャと跳ねるような微細なアクションを出すことで、好奇心旺盛なチヌを誘い出すことができます。
この小刻みなアクションは、イナッコの群れがパニックになって散る様子を演出する際にも役立ちます。一箇所で留まりながら誘うイメージで、細かく振動させ続けると、下から突き上げるような激しいバイトを誘発できます。マニックフィッシュのボディは細身で吸い込みやすいため、口の小さなチヌでもしっかりとフッキングに持ち込むことが可能です。
青物狙いにおいても、ただ巻きの中に時折「トゥイッチ(鋭く弾く動作)」を混ぜることで、ベイトの不規則な逃走を演出し、食わせのきっかけを作ることができます。単調な動きに飽きさせないための変化として、これらの小技を習得しておくと、釣りの幅が大きく広がります。状況を観察し、魚が何に反応しているかを探りながらアクションを組み合わせていきましょう。
マニックフィッシュ使用時の注意点とタックル選び

マニックフィッシュはその優れた性能ゆえに、適切なタックル(道具)選びや使い方の注意点を知ることで、より快適に、そして効果的に運用できるようになります。せっかくの性能を台無しにしないためのポイントを確認しておきましょう。
マニックフィッシュを使いこなすための重要ポイント
・着水直後のリトリーブ開始を最優先にする
・ラインスラッグ(糸ふけ)の管理に注意する
・リトリーブスピードを常に意識してレンジを保つ
沈みすぎを防ぐリトリーブスピードの調整
マニックフィッシュはシンキング構造のため、リールを巻かずに放っておけば沈んでいきます。特に遠投した先で沈ませすぎてしまうと、浮上させるまでに時間がかかり、最もおいしいポイントを通過してしまうことがあります。これを防ぐためには、着水する直前にリールのベールを戻し、着水と同時に巻き始める「クイックスタート」が鉄則です。
また、遠距離ではラインの重みでルアーが沈みやすくなるため、遠くにある時ほどロッドを高く立てて、早めに浮上させることを意識してください。手前に来るにつれてロッドを徐々に下げていくことで、全域にわたって同じレンジをトレースできるようになります。このリトリーブスピードとロッド角度の相関関係を意識するだけで、ルアーの操作性は劇的に向上します。
水深が浅いシャローエリア(浅場)で使用する際は、特に注意が必要です。着水後の数秒の遅れが、ルアーの根掛かり(海底への引っ掛かり)に繋がってしまいます。常に「着水から動き出しまで」をひとつの動作としてルーチン化しましょう。マニックフィッシュは立ち上がりが非常に良いため、このコツを掴めばシャロー攻略の心強い味方になります。
ポテンシャルを引き出すロッドとラインの相性
マニックフィッシュの遠投性能を最大限に活かすためには、タックルバランスが非常に重要です。ロッドは、マニックフィッシュの重量(11g〜16g程度)がしっかりと乗るL(ライト)からML(ミディアムライト)クラスのシーバスロッドが最適です。ティップ(穂先)が適度にしなやかなものを選ぶと、繊細なアクションが付けやすく、かつ魚のバイトを弾かずに乗せることができます。
ラインは、PEラインの0.8号から1.0号を基準にするのがおすすめです。飛距離を最優先するなら0.8号ですが、大型シーバスや不意の青物を考慮するなら1.0号が安心です。PEラインは伸びが少ないため、遠距離でもマニックフィッシュの微細な波動をアングラーの手元に伝え、かつフッキングの力をダイレクトにルアーへ届けることができます。
リーダーはフロロカーボンの16lbから20lb程度を1m〜1.5mほど結束しましょう。トップ寄りの釣りのため、比重の軽いナイロンリーダーを使用するアングラーもいますが、マニックフィッシュの「水面直下の安定性」を重視するなら、少し沈むフロロカーボンでも問題ありません。むしろ、フロロの適度な重みがルアーを水面に落ち着かせる役割を果たし、扱いやすくなることもあります。
ミスバイトを減らすためのフッキングの心得
トップウォーターゲームにつきものなのが、魚がルアーに飛び出したものの掛からない「ミスバイト」です。マニックフィッシュはフッキング性能が高い設計ですが、それでもアングラー側の動作ひとつで釣果に差が出ます。最も大切なのは、「魚が出てからワンテンポ置いて合わせる」ことです。水面が割れた瞬間にビックリアワセ(慌てて合わせること)をしてしまうと、ルアーを魚の口から引き抜いてしまう原因になります。
魚の重みがロッドにしっかりと乗るまで巻き続け、竿が引き込まれたことを確認してからスイープ(大きくゆっくり)に合わせを入れるのがコツです。マニックフィッシュは細身のため、魚がしっかりと吸い込みやすく、重みが乗ってから合わせれば高い確率でフッキングします。視覚的な興奮を抑え、冷静に重みを感じることが成功へのステップです。
また、ドラグ設定も重要です。あまりにドラグが硬すぎると、バイトの瞬間にルアーが弾き飛ばされたり、急な突っ込みでラインブレイク(糸切れ)を起こしたりします。少し緩めに設定しておき、魚の走りに追従するようにすることで、バラシのリスクを軽減できます。表層の釣りは、魚が激しく暴れることが多いので、この柔軟なやり取りが最終的なキャッチ率を左右します。
マニックフィッシュを使いこなすためのまとめ
マニックフィッシュは、その圧倒的な飛距離と独自の「マニックムーヴ」によって、表層攻略に革命をもたらしたルアーです。シンキングペンシルでありながらトップウォーターのように扱える柔軟性を持ち、サヨリパターンやマイクロベイトパターンなど、あらゆる難しいシチュエーションでアングラーを助けてくれます。初心者から上級者まで、持っておいて損はない完成度の高さを誇ります。
使い方の基本は一定速度の「ただ巻き」ですが、ロッドの角度やリトリーブスピードを変えることで、レンジやアクションを自在に操ることができます。88mmと99mmのサイズ展開を使い分け、カラーローテーションを意識すれば、その日の当たりパターンをより早く見つけ出せるでしょう。飛距離が出るからこそ、他の誰も届かなかったあのボイルに、あなたのマニックフィッシュが届くはずです。
今回ご紹介した攻略法を参考に、ぜひフィールドでマニックフィッシュを投げてみてください。水面を静かに、かつ妖しく進む引き波の先に、これまで出会えなかったドラマチックな一匹が待っているかもしれません。表層を制する喜びを、この信頼できるルアーと共に体感してください。



