ショアジギングをこれから始めたい方や、もっと飛距離を伸ばしたいと考えている方にとって、ライン選びは非常に重要な要素です。特にショアジギングではPEラインの使用が一般的ですが、号数や編み数、長さなど選ぶべき基準が多く、どれを買えばいいのか迷ってしまうことも少なくありません。
PEラインは、ナイロンやフロロカーボンといった他のラインとは異なる特性を持っており、正しく選ぶことで釣果に劇的な差が生まれます。この記事では、ショアジギングにおけるPEラインの基礎知識から、状況に合わせた具体的な選び方まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。
ラインの特性をしっかり理解して、快適なショアジギングを楽しみましょう。これを読めば、自信を持って自分にぴったりのラインを選べるようになるはずです。
ショアジギングでPEラインが必須な理由と基本の選び方

ショアジギングにおいて、PEラインは単なる釣り糸以上の役割を担っています。重いメタルジグ(金属製のルアー)を遠くまで投げ、深い場所にいる魚の反応を捉えるためには、PEラインの特性が欠かせません。ここでは、なぜPEラインが選ばれるのか、その理由と基本的な選び方の基準を整理していきましょう。
PEラインの最大の特徴である「伸びの少なさ」と「感度」
PEラインがショアジギングで重宝される最大の理由は、その「伸びの少なさ」にあります。ナイロンラインなどが水中でゴムのように伸びるのに対し、PEラインはほとんど伸びません。この特性により、遠くにあるルアーをキビキビと動かすことができ、魚の小さなアタリも手元まで明確に伝わってきます。
伸びないということは、魚がルアーに触れた瞬間の違和感や、海底の起伏(ボトム)を察知する能力が非常に高いことを意味します。ショアジギングでは、100メートル以上先でルアーを操作することもあるため、この「感度」の良さが釣果を左右する大きな武器となります。水中の情報をより多く得られるのがPEラインの魅力です。
一方で、伸びないがゆえに魚の急な突っ込みに対してラインの弾力で衝撃を吸収することができません。この弱点を補うために、PEラインの先には必ず「ショックリーダー」という別のラインを接続します。PEラインとリーダーの組み合わせは、ショアジギングにおける最も基本的な仕掛けの構成となっています。
引っ張り強度に優れたPEラインがショアジギングに最適な理由
PEラインは、ポリエチレンという非常に細い繊維を複数本編み込んで作られています。そのため、同じ太さのナイロンラインやフロロカーボンラインと比較すると、約3倍から4倍もの引っ張り強度を誇ります。これにより、非常に細いラインを使いながら、大型の青物とも十分に渡り合うことが可能になります。
ラインを細くできるメリットは計り知れません。まず、空中の空気抵抗が減るため、ルアーの飛距離が格段にアップします。また、水中でも潮流の抵抗を受けにくくなるため、ルアーが流されにくくなり、狙ったポイントを正確に攻めることができます。これは、足場の限られる堤防や磯から釣るショアジギングにおいて非常に有利な点です。
ただし、PEラインは「摩擦」に対して非常に弱いという弱点を持っています。岩礁帯や堤防の壁にラインが擦れると、驚くほど簡単にプツンと切れてしまいます。強度の高さを過信せず、根ズレ(海底の岩などでラインが擦れること)に注意しながら運用することが、大物を確実にキャッチするための秘訣といえるでしょう。
初心者が最初に選ぶべきPEラインの太さ(号数)の目安
ショアジギングを始めるにあたって、最初に迷うのが「何号のラインを巻けばいいのか」という点です。狙う魚のサイズや場所によって異なりますが、一般的な堤防から30g〜40g程度のジグを投げる「ライトショアジギング」であれば、1.0号から1.2号を基準に選ぶのが最もバランスが良くおすすめです。
この太さであれば、不意に中型の青物(イナダやサゴシなど)が掛かっても安心してやり取りができますし、何よりライントラブルのリスクを抑えつつ十分な飛距離を出すことができます。あまりに細すぎると、キャスティング時にラインが切れてしまう「高切れ」の不安があり、太すぎると風や潮の影響を受けやすくなってしまいます。
4本編み・8本編み・12本編みの違いと使い分け

釣具店に行くと、PEラインのパッケージに「4本編み(4braid)」や「8本編み(8braid)」といった表記があることに気づくでしょう。これは、何本の繊維を編み込んで一本の糸にしているかを示しています。この編み数の違いによって、ラインの性質や価格、得意なシチュエーションが大きく変わってきます。
コスパ重視のアングラーに人気の「4本編み」のメリット
4本編みのPEラインは、比較的太い繊維を4本使って編まれています。このラインの最大のメリットは、何といっても価格が安く、コストパフォーマンスに優れている点です。頻繁に釣行に行き、ラインの消耗が激しいアングラーにとっては、気軽に巻き替えられる心強い味方となります。
性能面での特徴としては、1本1本の繊維が太いため、他の編み数に比べて「根ズレ」などの摩擦に対して若干の耐性があるといわれています。表面はややザラつきがあり、ガイド(竿についている糸を通すリング)を通る際にシュルシュルと音が鳴ることがありますが、このザラつきが水切れの良さにつながることもあります。
しかし、繊維が少ない分、断面が完全な円形になりにくいため、空気抵抗を受けやすく飛距離は8本編みに一歩譲ります。また、直線強度が同じ号数の8本編みよりも低めに設定されていることが多いため、強度を最優先する場合はスペック表をよく確認する必要があります。まずは安価に道具を揃えたい初心者の方には最適な選択肢です。
滑らかさと飛距離を両立した「8本編み」が標準的な理由
現在のショアジギングシーンにおいて、最も標準的に使われているのが8本編みのPEラインです。細い繊維を8本編み込んでいるため、表面が非常に滑らかで、断面も限りなく正円に近くなっています。この滑らかさのおかげで、キャスト時のガイド抵抗が劇的に減り、飛距離を大きく伸ばすことが可能です。
また、繊維密度が高いため、同じ号数であれば4本編みよりも直線強度が強い傾向にあります。これにより、ワンランク細いラインを選択することができ、さらに飛距離や操作性を向上させられるという好循環が生まれます。しなやかで糸癖がつきにくいため、リールへの馴染みも良く、ライントラブルが少ないのも大きなメリットです。
価格は4本編みより高くなりますが、最近では技術の進歩により手頃な価格の8本編みも増えています。飛距離が重要視されるショアジギングにおいて、滑らかに飛んでいく8本編みは、ストレスなく釣りを続けるための強力なパートナーとなります。迷った場合は、8本編みを選んでおけば間違いありません。
最高性能を求めるなら「12本編み」という選択肢
さらなる高性能を求めるアングラー向けに、12本の超極細繊維を編み込んだ12本編みのPEラインも存在します。これはPEラインの最高峰ともいえる存在で、8本編みをさらに上回る滑らかさと強度を備えています。触ってみると、まるでシルクのような手触りで、ガイド鳴りもほとんどありません。
12本編みのメリットは、極限まで高められた直線強度と、圧倒的な飛距離です。少しでも遠くのナブラ(魚が小魚を追い回して水面が騒がしくなっている状態)にルアーを届けたい場合や、記録級の大物と対峙する場合には、このスペックが大きな安心感を与えてくれます。糸の表面抵抗が極めて小さいため、ルアーの沈下速度も速くなる傾向があります。
ただし、デメリットとして価格が非常に高いこと、そして繊維が極めて細いため、わずかな傷でも強度低下が起こりやすい点が挙げられます。上級者向けのラインといえますが、「とにかく飛距離と強さにこだわりたい」という方は、一度その使い心地を体験してみる価値があるでしょう。贅沢な選択肢ですが、その性能は本物です。
ターゲットやフィールドに合わせたPEラインの号数選び

ショアジギングといっても、狙う魚はアジやサバなどの小型魚から、ブリやヒラマサといった大型魚まで様々です。また、足場の良い堤防で行うのか、険しい磯場で行うのかによっても、最適なラインの太さは変わります。ターゲットとフィールドに合わせた適切な号数選びについて詳しく見ていきましょう。
ライトショアジギング(LSJ)で活躍する0.8号〜1.2号
防波堤や砂浜(サーフ)から、20g〜40g程度のメタルジグを使って、サバ、サゴシ、ワカシ(ブリの幼魚)などを狙うのがライトショアジギングです。この釣りで最も多用されるのが、0.8号から1.2号のPEラインです。この範囲の号数は、操作性と飛距離のバランスが非常に優れています。
0.8号は、特に飛距離を重視したい時や、タチウオのようにあまり激しく走らない魚を狙う際に重宝します。水切れが良く、ジグを軽快に動かせるのが特徴です。一方、1.2号は少しパワーに余裕を持たせたい時に適しています。不意に40cm〜50cmクラスの青物がヒットしても、落ち着いて対応できる強さを持っています。
多くの初心者向けセットや、標準的なショアジギングタックルには1.0号が巻かれることが多いですが、これは非常に理にかなっています。1.0号あれば、堤防で出会える大半の魚に対応でき、キャストもしやすいためです。まずは1.0号を基準にして、自分のよく行く釣り場の状況に合わせて微調整していくのが良いでしょう。
中型青物を狙うスタンダードな1.5号〜2.0号
イナダ(ワラサ手前)やカンパチの幼魚、あるいは大型のタチウオやサワラなど、引きが強く重量感のある魚をメインに据える場合は、1.5号から2.0号の出番です。このクラスになると、ラインの引っ張り強度は20lb(約9kg)〜30lb(約13kg)を超えてくるため、力強いファイトが可能になります。
1.5号は、ライトショアジギングよりも一段階上の「本格的なショアジギング」への入り口となる号数です。60g程度の重いジグもしっかりと振り抜くことができ、中型の青物が走っても強引に止めるパワーを備えています。2.0号は、潮流が速いエリアや、少し根が荒い場所での釣りに安心感をもたらしてくれます。
太くなるほど風の影響を受けやすくなるため、キャスト時のラインのフケ(たわみ)を管理する技術が必要になります。しかし、この太さがあれば堤防からの釣りでラインブレイク(糸切れ)を起こすリスクを大幅に軽減できます。特に秋のハイシーズンなど、何が掛かるか分からない時期には、少し余裕を持った1.5号以上が推奨されます。
大型青物や磯場での釣りに備える3.0号以上の選び方
地磯や沖磯、あるいは堤防であってもブリクラスの大型魚が回遊してくる場所では、3.0号以上の太いラインが必要不可欠です。磯場では魚が根に潜ろうとするため、それを阻止するためにドラグ(糸が出る調整機能)をきつく締め、力勝負をする必要があります。これに耐えるには、最低でも3.0号の強度が必要です。
3.0号や4.0号といった太いラインは、80g〜100gを超える重量級のルアーを投げるのにも適しています。細いラインで重いルアーを投げると、指に掛かる負荷が大きすぎて怪我をしたり、キャストの瞬間にラインが切れたりする恐れがあるためです。安全に大物釣りを成立させるための「専用装備」といえる太さです。
ただし、太いラインを扱うにはそれ相応の大型リール(5000番〜8000番以上)と、パワーのあるロッドが必要になります。また、空気抵抗が大きいため飛距離を出すにはコツがいります。大型狙いに特化したこの釣りは、体力も必要となるエキサイティングな世界です。ターゲットに合わせた適切なタックルバランスを心がけましょう。
【ターゲット別PE号数目安表】
| ターゲット | 推奨号数 | 主なフィールド |
|---|---|---|
| アジ・サバ・カサゴ | 0.6〜0.8号 | 堤防・港湾部 |
| イナダ・サゴシ・タチウオ | 1.0〜1.2号 | 堤防・サーフ |
| ワラサ・シイラ・サワラ | 1.5〜2.0号 | 堤防・地磯 |
| ブリ・ヒラマサ・カンパチ | 3.0号以上 | 沖磯・大型堤防 |
ショアジギングに必要なPEラインの長さとカラーの重要性

PEラインを選ぶ際に、号数と同じくらい重要なのが「長さ」と「カラー」です。特にショアジギングは、他の釣りと比べてもラインを遠くへ飛ばし、なおかつ魚にラインを引き出される時間が長い釣りです。そのため、十分な長さと、状況を把握するためのカラー選びが成功の鍵を握ります。
最低でも200mは巻いておきたい理由とライントラブルへの備え
ショアジギング用のリールにPEラインを巻く際、その長さは最低でも200mを確保することをおすすめします。ショアジギングでは100m近く飛ばすことも珍しくなく、さらに魚がヒットした後に数十メートル走られることも想定しなければなりません。150mでは、高切れやトラブルでラインを少し失っただけで、釣りが継続できなくなるリスクがあります。
また、PEラインは使っているうちに先端部分が傷んでくるため、数メートルずつカットして使い続けることになります。最初から200m〜300m巻いておけば、多少のカットを繰り返しても余裕を持ってワンシーズン戦い抜くことができます。特に水深のあるポイントや潮流の速い場所では、想像以上にラインが流されるため、長さの余裕は精神的な安心感に直結します。
最近の専用リールは、PEラインの特定の号数がちょうど200mや300m巻けるように設計された「シャロースプール(浅溝)」を採用しているモデルが多いです。自分のリールのキャパシティを確認し、できるだけ目一杯の長さを巻いておくのが、不測の事態に備えるための賢い選択といえます。
飛距離や水深を把握しやすくする「マルチカラー」の利点
PEラインには、10mごとに色が切り替わる「マルチカラー(5色出しなど)」と、一色だけの「単色ライン」の2種類があります。ショアジギングにおいて圧倒的に便利なのはマルチカラーのラインです。色が切り替わることで、自分が今どれくらいの距離までルアーを飛ばしたのかを瞬時に判断できるからです。
飛距離が分かれば、「あの辺りでアタリがあった」「あそこまで投げれば届く」といった戦略が立てやすくなります。また、水深を把握するのにも役立ちます。ジグを沈めている間に色がどれくらい出たかを見れば、その場所の深さを大まかに知ることができ、着底までの時間を計算して根掛かりを回避することも可能になります。
多くのマルチカラーラインは、10mごとの色の変化に加え、1mや5mごとに小さなマーキングが入っています。これにより、より正確にラインの出具合をコントロールできます。データの蓄積は釣果アップへの近道ですので、特に場所の情報を把握したい初心者の方にはマルチカラーが強く推奨されます。
キャスティング時の視認性を高める「単色ライン」の使い道
一方で、ピンクやイエロー、グリーンといった鮮やかな一色で統一された「単色ライン」にもメリットがあります。単色ラインの最大の利点は、「視認性の良さ」です。空中に放たれたラインがどこにあるかが見えやすいため、風に流されたラインの軌道を修正したり、ルアーの着水位置を把握したりするのが容易になります。
特にマズメ時(夜明けや日暮れ)や曇天時など、周囲が薄暗い状況では、派手な単色ラインは非常に頼りになります。また、混雑した堤防などで隣のアングラーとのライン交差(おまつり)を防ぐためにも、自分のラインがどこにあるか一目で分かることは重要です。視覚的にラインの動きを追いたいアングラーに好まれるスタイルです。
ただし、単色ラインでは正確な飛距離を測ることが難しいため、経験に基づいた感覚が求められます。最近では視認性の高い単色ラインでも、一定間隔で黒いマーキングが入っているタイプも登場しています。「マルチカラーは色が多すぎて分かりにくい」と感じる方や、キャスティングの快適さを重視する方は、明るい単色ラインを選んでみるのも良いでしょう。
PEラインとセットで考えるショックリーダーの組み合わせ

PEラインは引っ張り強度に優れる反面、傷に弱く伸びないという性質を持っています。この特性を補い、タックル全体のバランスを整えるために不可欠なのが「ショックリーダー」です。PEラインの性能を100%引き出し、魚を確実にランディングするためには、リーダーとの適切な組み合わせを知る必要があります。
PEラインにショックリーダーが絶対に欠かせない理由
PEラインをルアーに直接結んで釣りをすることは、ショアジギングでは推奨されません。その理由は大きく分けて2つあります。1つ目は、先述した「根ズレ対策」です。魚とのやり取り中や底取りの際、ラインが岩や貝殻に触れるとPEラインは簡単に切れます。摩耗に強いリーダーを先に繋ぐことで、この破断を防ぎます。
2つ目は、キャスト時や魚がヒットした瞬間の「衝撃吸収(クッション)」の役割です。伸びないPEラインは急激な負荷がかかると、結び目から切れたり、魚の口を広げて針が外れる「口切れ」を起こしたりしやすくなります。適度な伸びを持つリーダーを数メートル介することで、この衝撃を和らげ、バラシを軽減してくれるのです。
一般的に、PEラインの号数に対して、その「4倍」程度の号数のリーダーを合わせるのが基本のセッティングとなります。例えば、PE1.0号であれば、ショックリーダーは20lb(5号)前後を合わせるのがバランスが良いとされています。この組み合わせを基準に、根の荒さや狙う魚に応じて微調整を行っていきます。
フロロカーボンとナイロンの違いと状況に応じた選び方
ショックリーダーの素材には、主に「フロロカーボン」と「ナイロン」の2種類があります。どちらを選ぶかは、フィールドの状況や自分の好みに合わせます。フロロカーボンは、硬くて耐摩耗性に優れ、水に沈みやすいのが特徴です。底付近を重点的に攻める場合や、根が荒い場所ではフロロカーボンが第一選択となります。
一方のナイロンリーダーは、しなやかで伸びがあり、扱いやすいのが特徴です。フロロカーボンよりも衝撃吸収能力が高いため、トップウォーター(水面)の釣りで魚にしっかりルアーを食わせたい時や、バラシを減らしたい時に適しています。また、糸癖がつきにくいため、太いリーダーを使う際もノットが組みやすいというメリットがあります。
最近のショアジギングでは、汎用性の高いフロロカーボンリーダーが主流となっていますが、状況によってはナイロンのしなやかさが武器になることもあります。まずはフロロカーボンを基本とし、食い込みの良さを重視したい場合にナイロンを試してみるのが、迷わないためのステップです。
リーダーの長さは、一般的に「1ヒロ(約1.5m)」から「矢引き(約1m)」程度を確保します。磯場などではさらに長く取ることもありますが、初心者のうちはキャストの邪魔にならない程度の長さから始めるのが安全です。
結束強度を落とさないためのノット(結び方)の基本
PEラインとリーダーを繋ぐには、専用の結び方(ノット)が必要です。PEラインは表面が滑りやすいため、普通の結び方では簡単に抜けてしまいます。ショアジギングで最も信頼されており、標準的な結び方とされているのが「FGノット」です。このノットは結束部が細く仕上がるため、ガイドを通りやすく、強度が非常に高いのが特徴です。
FGノットは慣れるまで練習が必要ですが、一度習得すればあらゆるショアゲームに応用できます。もし釣行中に素早く結び直したい場合などは、比較的簡単な「摩擦系ノット」や、補助器具(ノットアシスト)を活用するのも手です。大切なのは、どんな結び方であっても「丁寧に、しっかり締め込む」ことです。
結束強度が低いと、せっかく大物が掛かっても結び目から切れてしまいます。家でリラックスしている時に練習を重ね、目をつぶっても結べるくらいまで慣れておきましょう。また、釣行前には必ず結び目のチェックを行い、少しでも毛羽立ちや緩みを感じたら、迷わず結び直す習慣をつけることが大物への近道です。
PEラインを長持ちさせるためのメンテナンスと交換時期

PEラインは決して安い消耗品ではありません。しかし、正しいメンテナンスを行うことで、その寿命を大幅に延ばし、常に最高のパフォーマンスを発揮させることができます。逆に、メンテナンスを怠ると劣化が早まり、不意のラインブレイクを招く原因となります。愛用のラインを長く安全に使うためのコツをご紹介します。
釣行後に行いたい「塩抜き」の重要性と具体的な方法
海で使った後のPEラインには、目に見えない塩分が大量に付着しています。そのまま放置すると、塩が結晶化して繊維の奥に入り込み、ラインを傷つけたり、リールのスプールを腐食させたりする原因になります。そのため、釣行後には「塩抜き」をすることが非常に重要です。
最も簡単な方法は、リールのドラグをしっかり締めた状態で、スプール全体に真水のシャワーをかけることです。この際、お湯を使うとラインに施されているコーティングが剥がれやすくなるため、必ず「常温の水」を使用してください。数分間水をかけ流すだけでも、表面の塩分を大幅に除去することができます。
より念入りに行いたい場合は、スプールごと水に浸けて数時間放置する方法もあります。ただし、リール内部に水が入らないよう注意が必要です。メンテナンス後は、ドラグを緩めて風通しの良い日陰でしっかりと乾燥させてください。これだけで、PEラインのしなやかさと強度が驚くほど長持ちします。
毛羽立ちや色落ちは交換のサイン!ラインチェックのポイント
PEラインの寿命を見極めるポイントは、主に「毛羽立ち」と「色落ち」です。ラインの表面を指でなぞった時に、小さな繊維がピピッと逆立っているような「毛羽立ち」がある場合は、すでに強度が低下しています。特に先端の数メートルは、キャスト時の摩擦や魚とのやり取りで傷みやすいため、釣行ごとにチェックして、傷んでいる部分は迷わずカットしましょう。
また、鮮やかだった色が白っぽく褪せてきたり、ラインが水を吸って重たく感じるようになったりするのも劣化のサインです。PEラインにはもともと樹脂によるコーティングが施されていますが、これが剥がれてくると強度が落ち、トラブルも増え始めます。指で強く擦って色が簡単に手に付くようなら、交換時期が近いと判断しましょう。
一般的に、週に1回程度の釣行であれば、半年から1年が巻き替えの目安といわれています。しかし、見た目に大きなダメージがなくても、経年劣化で突然切れることもあります。特に「今年は大物を狙うぞ」という気合の入った釣行の前には、思い切って新品に巻き替えることで、悔しい思いをせずに済むはずです。
ラインの裏返し(反転)で経済的にPEラインを使い切るコツ
PEラインを経済的に使うための裏技として、「裏返し(反転)」という方法があります。これは、リールに巻いてあるラインの「表」と「裏」を入れ替える手法です。ショアジギングでは、実際に使うのは先端の100m〜150m程度であり、スプールの奥深くに巻いてある部分はほとんど新品に近い状態で眠っています。
先端が傷んできたり、少し短くなってきたと感じたりしたタイミングで、空のスプールや別のリールを使ってラインを巻き直します。これにより、今まで一度も日光や海水に触れていなかった「新品同様の後半部分」が先端にくるため、再びフレッシュな状態で釣りを再開できます。実質的にラインの寿命を2倍にできるため、非常に経済的です。
ただし、裏返しを行う際はラインの総量に注意してください。あまりに短くなりすぎていると、大物が走った時にラインが足りなくなる恐れがあります。目安として、最低でも150m以上の残量がある場合に行うのが安全です。こうして工夫しながらラインを使い切ることも、賢いアングラーとしての楽しみの一つといえるでしょう。
まとめ:ショアジギングでPEラインを使いこなして釣果を伸ばそう
ショアジギングにおけるPEライン選びは、快適な釣りと納得の釣果を得るための第一歩です。PEライン特有の「伸びの少なさ」と「圧倒的な強度」を味方につけることで、遠くの魚とのコンタクトが可能になり、釣りの世界が大きく広がります。
初心者のうちは、汎用性の高い1.0号〜1.2号の8本編みを基準に選び、長さは余裕を持って200m巻いておくのが最も失敗のない選択です。また、飛距離の把握に役立つマルチカラーを選び、適切なショックリーダーを組み合わせることで、実戦での対応力も格段に向上します。
ラインは魚と自分を繋ぐ唯一の接点です。日々のメンテナンスを欠かさず、常にベストな状態を保つことで、不意の大物チャンスを確実にモノにできるはずです。この記事を参考に、自分にぴったりのPEラインを見つけて、エキサイティングなショアジギングの世界を存分に楽しんでください。



